TLCが参戦している市販車部門は、量産車にロールケージや6点式シートベルト、大容量燃料タンクや消火器などの「安全に走る」ための装備の追加が義務付けられる箇所以外は市販車に近い状態で走行することを前提にした部門です。エンジン、ボデー/フレームなど、車両の基幹部位の構造および材質の変更は禁止されており、ベースとなる市販車の性能の高さが重視されます。
※ターボなどのエンジン補器類、トランスミッション、デフは2023年大会からラリー期間中、交換可能に変更
2024年大会仕様車は、2023年大会参戦車両をベースに悪路走破性を維持したまま、信頼性・耐久性を向上させた車両です。主な改良ポイントはエンジン吸気系とリアサスペンションの見直しとなります。吸気系においては、装着が義務付けられる各車両の排気量に合わせた吸気量制限パーツであるリストリクター(市販車の吸気システムとは異なるラリー専用品)の取り付け方法を改善し、砂等の異物混入を防ぐことでターボの信頼性を高めました。
リアサスペンションにおいては、ショックアブソーバー(BOS製ラリー専用品)のレイアウトを 車両規則の許す範囲内で変更し、路面追従性を犠牲にすることなく、アブソーバーにかかる負荷を軽減することで耐久性を向上させました。ベース車両型式 | FJA300L |
エンジン型式 | F33A-FTV型 |
総排気量 | 3,345cc |
全長 / 全幅 / 全高 | 4,965mm / 1,990mm / 1,975mm |
最大出力 | 253kw以上 (344ps以上) |
最大トルク | 815N・m以上 |
ステアリング | ラック & ピニオン式 |
サスペンション | 前/ ダブルウィッシュボーン式独立懸架コイルスプリング (BOS製) 後/ トレーリングリンク車軸式コイルスプリング (BOS製) |
ショックアブソーバー | ラリー専用品 (BOS製) |
ブレーキ | 前後ベンチレーテッドディスク (エンドレス製:ブレーキパッドのみ) |
トランスミッション | Direct Shift-10AT (電子制御10速オートマチック)*1 |
タイヤサイズ | 285/70R17 (TOYO TIRES製:OPEN COUNTRY M/T-R)*2 |
ホイール | マグネシウム鍛造 17インチ×7.5J (ENKEI製) |
駆動方式 | 4輪駆動(フルタイム4WD) |
主要装備 | 電動デフロック(フロント・センター・リア) E-KDSS*3 |
*1 | 車両規則に基づくラリー専用制御にて1速~8速(後進シフト付)までのマニュアルモードで操作。 |
*2 | OPEN COUNTRY M/T-R2023スペックをベースに、ケース構造の改良と浅溝化により剛性アップと軽量化を実現。また、構成部材には環境に優しいサスティナブル素材(使用比率50%)を採用。 |
*3 | エレクトロニック キネティック ダイナミック サスペンション システムの略称で、オンロードの走行安定性とオフロードの走破性を高次元で両立させるランクル300で世界初投入されたシステム。ラリー車両では車両規則に基づく専用マニュアル制御に変更(市販モデルのE-KDSSはオートマチック制御) |