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ダカールラリー2024完全走破に向けてラリー車開発テストを実施。
ラリー車のレベルアップそして耐久性能を確認しました

第5号2023.06.21

TLCはダカールラリー2024に向けて、約2週間にわたり、ランドクルーザー300 GR SPORTをベースとしたラリー車の開発テストをアフリカ大陸、モロッコにて実施し、クルマ・チームのレベルアップを図りました。

前回ダカールラリー2023では、2台ともにデイリタイア(競技規定により、その日の競技区間を途中で離脱した場合、ペナルティタイムを加算された上で翌日以降の競技を続行することができる)を喫したことを踏まえ、TLCは2024年大会の目標を全ステージ完全走破による市販車部門11連覇としています。

2023年大会終了後、チームが見舞われた車両トラブルについては、トヨタ自動車㈱、チームの母体であるトヨタ車体㈱をはじめとする関連メーカーの開発関係者ら、フランスに拠点を置くTLCのラリー車開発・製作チームなど、日仏共同でトラブルの要因を絞り込み、改善策について議論を重ねてきました。そして、2023年大会仕様のラリー車に改善を織り込んだテストラリー車を今回のテストに持ち込みました。

テストのミッションは、ランドクルーザー300 GR SPORTが持つ走破性の高さを活かしたまま、ダカールラリー全ステージを走り切れるラリー車の信頼性を高めること。そのために、テストではダカールラリー1大会でのSS(競技区間)総走行距離に相当する約4,500㎞のオフロードを走行し、23年大会で発生した各トラブルへの改善策の評価はもちろんのこと、新たに起こり得る問題の洗い出しと課題を整理していきました。

その過程において、新たに必要となる情報も出てきましたが、国内開発陣とのタイムリーな情報共有、フィードバックにも支えられ、日々テストの現場でラリー車は進化を遂げながら、全てのテストメニューを完遂し、2024年大会に向けた基本仕様を固めることができました。

また、今年度新加入となったメカニックの谷上文彦(福岡トヨタ自動車)およびアレックス・カルドーソは積極的にテストに参加し、先輩メカニック陣、エンジニア、ドライバー、ナビゲーターとのコミュニケーションを通して、ラリー車への理解を深めるとともに、ラリーメカニックとしてスキルと経験を向上させることができています。

今後は、今回のテスト結果を織り込んだ改良版テスト車両を持ちこみ、10月度に同じくモロッコで開催されるモロッコラリー2023に参戦し、ダカールラリー本番を実戦形式でシミュレーションし、さらに人とクルマを鍛え上げていく予定です。

今回のテストを終えてチーフメカニックのフィリップ・シャロワは、「当初の想像を上回る速さを身に着けたランクル300のラリー車を市販車部門の規則内で耐久性も向上させるということは並大抵のことではないと感じていました。しかし、多くの関係者と諦めない気持ちと知恵を集結させて作ったクルマの方向性は間違っていないことを今回確認できました。一方で、まだ満足はしていません。このテスト結果から予測される発生しうる問題の可能性も確実に潰しこみ、モロッコラリーに臨みたいです。残された時間は限られていますが、自信をもって2024年大会に持ち込めるラリー車を必ず仕上げてみせます」と語っています。

チーム監督の角谷裕司(トヨタ車体広報室)は「テストというものの2週間の日程で4,500㎞のオフロード走り切るという今回のメニューはダカールラリーそのもの。ひとたびトラブルでクルマが止まってしまい、原因究明に時間を要すれば成り立たないものでした。まずは計画通り、すべてのメニューを完了できて安心しました。全てが順調に進んだわけではありませんが、現場のメンバーはもちろん、日本側の開発関係者の方々も含めた全員で困難を乗り越え、実りあるものにできたテストだったと思っています。こうして『ダカールラリーを通したもっといいランクルづくり』に取り組むことができていることにチームメンバーだけでなく、協力いただいた全員に感謝しています」と綴りました。

ドライバーの三浦昂(トヨタ車体広報室)は「マシンの信頼性は格段に向上し、安心してアクセルを踏めています。特に規則の範囲内で見直したリアサスペンションレイアウトに合わせて新設計してもらったBOS製ショックアブソーバーと前回大会からの改良版となるTOYO TIRES オープンカントリーM/T-Rのマッチングが非常によく、自身が目指す理想に近い走りを実現するセッティングも見つかりました。また、共有したテスト走行データをもとに日本からのアドバイスを受け、中速域でのトルクが向上したことにより、アクセルワークでクルマに負担をかけることなく、意のままに操作しやすいクルマに仕上がったと思います」と手応えを感じています。

TLCは、引き続き市販車部門11連覇への挑戦を進めて参ります。ご声援を宜しくお願いいたします。