サウジアラビアでダカールラリー2020がいよいよスタート
最初の競技を三浦組、ラヴィエル組が市販車部門ワン・ツーで順調な滑り出し

戦況

2020年のダカールラリーは新たに南米からサウジアラビアに舞台を移して開催されている。5日に紅海岸のジェッダをスタートしたラリーは同国内を時計回りに巡り11日に中間休息日のビバークとなる首都リヤドへ到着。後半戦は南部の砂漠地帯に至り17日にリヤド近郊のアルキディアにゴールする行程だ。13日間12ステージの全行程は7856km、うちSS（競技区間）が5097kmと比較的競技区間の比率が高く、同地の砂漠を中心とした過酷な戦いが予想されている。

この新天地で行われるダカールラリーにトヨタ車体のラリーチームTLC（チームランドクルーザー・トヨタオートボデー）は引き続きトヨタ・ランドクルーザー200シリーズの2台体制で市販車部門に参戦。前回達成した部門6連覇に続き、前人未踏の7連覇を目指す。

チームは主催者のフェリーでフランスから送られてきた車両を2日に受け取ると、市内にあるトヨタ自動車輸入代理店「ALJ」の整備拠点で最終調整を実施。翌3日に主催者の車両検査を受けたあと、4日には市内で行われたスタートセレモニーに臨んだ。海岸沿いの公園に設けられたスタートセレモニー会場には日本から杉浦一成チーム代表（トヨタ車体 領域長）も駆け付けて選手たちを激励。クリスチャン・ラヴィエル／ジャン・ピエール・ギャルサン組、三浦昂（トヨタ車体社員）／ローラン・リシトロシター組はポディアム上でそれぞれ杉浦チーム代表と握手を交わし、観客に大きく手を振りながらスタートを切った。

明けて5日の朝にはジェッダ～アル・ワジ間でいよいよ競技がスタート。ジェッダから海岸沿いに北上する195kmのリエゾン（移動区間）に続いて設定された319kmのSSは沿岸近くの比較的平坦なエリアを舞台に途中19kmの舗装路のニュートラルゾーンを挟んで2パートで構成されていた。なお、この日スタートを切った競技車は2輪144台、クアド（4輪バイク）23台、4輪83台、SSV（小型バギー）46台、トラック46台。4輪のうち市販車部門の参加者はTLCを含めて5台である。

SSの序盤は山間部のツイスティな区間から始まり、埃っぽい枯れ川の底を行く場面に続いて小さいながら柔らかい砂丘も登場した。ニュートラルゾーンの後は比較的ハイスピードだが砂地の路面に隠れた石でパンクする参加者も多く、今年のコースの難しさを感じさせた。

TLCの2台はこの初ステージを慎重かつ果敢に走破した。２本のパンクでスペアタイヤを使い切った三浦／リシトロシター組（338号車）はさらにゴール手前30kmで３本目のパンク。しかしラヴィエル／ギャルサン組（326号車）にスペアタイヤを分けてもらって事なきを得るなど、初日からチームワークを発揮する場面もあった。結果は338号車が総合47位、326号車が48位で初日から市販車部門ワン・ツー態勢を築く。大きなトラブルもなく順調な滑り出しとなった。その後238kmのリエゾンで海岸近くのアル・ワジのビバークにラリー車が到着したのは６時すぎ。さっそく待機していたメカニックたちが点検作業に取り掛かった。

６日はさらに北上するネオムへの行程で367kmのSSが予定されている。