多彩に変化するナビゲーションステージを盤石にクリア
２台揃ってノーパンク、ノートラブル

戦況

第2ステージはアルワジからネオムへ向かう行程で競技が繰り広げられた。初日を市販車部門ワン・ツーで終えたTLCはこの日のステージを慎重に臨んだ。クリスチャン・ラヴィエル／ジャン・ピエール・ギャルサン組の326号車が総合23位・市販車部門1位、三浦昂／ローラン・リシトロシター組の338号車が総合24位・同部門2位でゴール。この日までの累積順位も338号車が総合40位、326号車が2分28秒差の41位でTLCの2台が市販車部門のワン・ツー態勢を固めている。

ネオムはサウジアラビアの北西部、アカバ湾の入口付近に位置する。紅海をはさんで対岸にあるダカールラリー2003でゴールとなったエジプトのシャルム・エル・シェイクも近い。この日のルートは沿岸沿いのアルワジから26kmのリエゾン（移動区間）で内陸に入り山麓部を舞台にネオムのビバーク近隣に至る367kmのSS（競技区間）で構成された。大半は山間地で車両にダメージを与えやすい堅い路面が中心だが、砂地や岩場、枯れ川の底を行く区間など路面は多彩に変化。ナビゲーションも複雑でロードブック（走行指示書）を前日ではなくスタート直前に渡す新たな試みも行われるなど、ナビゲーターの負担の大きい一日となった。

前日に3本のパンクを喫した三浦／リシトロシター組はタイヤをケアしながら走行。後方から追いついてきたラヴィエル／ギャルサン組とゴールまで一緒に走行し、埃の酷い中、ゴール手前の分岐で迷う場面もあったが、揃って無事ゴールした。この結果、累積順位で市販車部門首位の338号車は同部門3位のアルシュマーリ・サルマン組（日産パトロール）に早くも3時間3分55秒のタイム差を付けることになった。市販車部門7連覇の目標に向けて着実にリードを広げていこうと、チーム全員が集中力を高めていた。

ネオムのビバークは海岸から数キロ入った台地の上。遠方には高い山々がそびえ昼間でも風が冷たいなど、モロッコやモーリタニア北部の山間地によく似た地域である。7日の第3ステージは同地を舞台にしたループコースで427kmのSSが行われる。