最大の難関を越えてハラドに帰還
互いにサポートしながら２台揃って砂丘を克服

戦況

16日の行程はメカニック不在のシュバイタのビバークからハラドに戻るマラソンステージ（ビバークでのメカニックによる整備が禁止されたステージ）の2日目。険しい砂丘越えから始まった379kmのSS（競技区間）は、今大会の中でも最も厳しい内容となった。トヨタ・ランドクルーザー200シリーズで市販車部門に参戦しているTLCは三浦昂（トヨタ車体社員）／ローラン・リシトロイシター組の338号車が総合39位、クリスチャン・ラヴィエル／ジャン・ピエール・ギャルサン組の326号車が総合42位でこの難関を突破。累積順位を326号車が総合30位・市販車部門1位、338号車が総合34位・同部門2位としてハラドのビバークに無事到着した。あとはゴール地アルキディアを目指す、17日の最終ステージを残すのみとなった。

サウジアラビアの南東部、UAE（アラブ首長国連邦）にほど近いシュバイタの周辺には、高い砂丘群が広がっている。ビバークからの45kmのリエゾン（移動区間）に続いて、SSスタートでいきなり77kmにわたって難しい砂丘越えがあり、その後も難易度は下がるものの、114km地点までは砂丘の連続となった。砂路面は数日前の降雨によって湿っており、表面が固くなることで若干スタックしにくい状況となっていた。その後路面は硬い未舗装路に変わったが、砂が道を覆っているところや小さい砂丘越えも頻出。終盤はスピードの出せる砂地のオフロードを走ってゴールした。そこからハラドのビバークへは再び320kmのリエゾンを経て到達。合計744kmのロングステージだった。

このSSでTLCの2台は先にスタートした326号車が後から来る338号車をコース上で待ち、2台がそろって走行。助け合いながら進むことで砂丘を確実にクリアしていった。途中338号車は1本リム落ち（空気圧を下げたタイヤがホイールリムから外れること）を喫したほか、一度スタックに見舞われたが、脱出に時間はかからず2台は同時にゴールに到着した。

17日はいよいよ最終日。167kmのSSを経てアルキディアに到着し、表彰式会場に詰めかけた観客の前で「キディアGP」と呼ばれる20kmの最終SSを終えればフィニッシュポディウムが待っている。とはいえ過去には最後のSSでリタイアを喫した選手も少なくない。TLCは2台がトラブルなく完走できるよう、ハラドのビバークで入念な点検整備を行った。