山間の悪路コースでTLCの２台が健闘
市販車部門ワン・ツーのポジションを固める

戦況

ダカールラリー2020の第4ステージは、ネオムからアル・ウラへ向かうルートで競技が行われた。TLCの2台は引き続き落ち着いたペースで453kmのロングSS（競技区間）を粛々とクリアし、クリスチャン・ラヴィエル／ジャン・ピエール・ギャルサン組の326号車が4輪部門総合27位でゴール。この日までの累積順位は改造車部門の車両に分け入る総合26位へと浮上した。三浦昂（トヨタ車体社員）／ローラン・リシトロイシター組の338号車も総合30位でSSを終え、累積順位は総合28位に。市販車部門3位以下とのタイム差を拡大して、同部門ワン・ツー態勢を堅持した。

ラリーも中盤戦にさしかかりSSの舞台もサウジアラビア北西部の山間地へと移ってきた。この日は紅海岸のネオムから123kmのリエゾン（移動区間）で内陸へ向かい、453kmのSSを実施。終了後は再びリエゾンでアル・ウラのビバークへ到着した。SS時の標高は1200m～1500mと高く、フェシフェシ（パウダー状の細かい土）の中に石が転がっている路面が中心。埃も酷いうえに終盤には大きな石を避けながら低速走行を余儀なくされる区間もあり、選手には我慢のステージとなった。

この行程を326号車は2本のパンクを喫しながらも冷静かつ果敢に走破。338号車は前日の成績によりスタート順が遅かったが、先行車を無理に抜かず、リスクを避けた走りに徹した。石で2本のパンクはあったものの、車両の不具合もなくゴールした。

アル・ウラのビバークは四方を山に囲まれた標高約600mの台地にある。ラリー車が到着したのはすでに日が暮れた19時半頃。気温は10度以下と冷え込む中、メカニックたちは早速点検整備に取り掛かった。